茜の空
『うん、マジで。だからちょっと緊張。』
急に顔が強張って真剣そのものだからプッと吹き出してしまう。
『笑うなよ~!!』
『だって~!!』
茶化すつもりはないけど、
きっと高い所ムリなんだろなって
考えたら可笑しくて。
だってさっきから全然景色見ないんだもん。
キラキラ輝いていて、キレイなのにな。
『でも俺、友香だから一緒に乗りたいんだからね?』
『……うん。』
きゅ、急にそんな目で見ないでよ。
冷静でいられないじゃない……。
『今日だけだってわかってる。今何度も言い聞かせてるんだ。でも……っ』
『変わらないよ…!』
君の次の言葉が怖くて、とっさに出た言葉。
『変わらないよ。私と君は教師と生徒なんだもん。わかってるよね?』
一瞬、君の顔色は曇った。
ずるいのは自分だとわかっていながら、わざと君を遠ざけた。