茜の空



学校では絶対見せない表情するから
本気でドキッとする。



これが等身大の友香なのかなって
思うとスゲー嬉しい。



繋いだ手も、どちらからともなく
恋人繋ぎになってた。



っていうのはウソで、しっかり
俺の作戦です。
手が離れて、また繋ぐ時に
指を絡ませる。



だって今日は俺の彼女なんだから。
特別でしょ。



だからほんの少しの希望、俺に与えてよ。



『アレ乗ろう』と指した観覧車。



友香には見破られてたみたい。



俺はここで決めてた。絶対伝えようって。



相手にされなくても、軽く受け流されても、何度だって言ってやる。



そうやって微笑んだり、真っ赤になったりしてんのは、少しでも友香の中に俺が居るって思ってもいいんだろ?



徐々に上がってく観覧車。



やけに狭いから、より密着してる。










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