茜の空
明日にでも返せばいーか。
そんなことを思いながら足早に階段を
降りていく。
会議が終わればダッシュで帰る。
今日は友達の朋美(トモミ)とご飯の約束してる。
朋美は、高校・大学と一緒で親友であり
よき理解者。
『いい店見つけたんだ』なんて言うから
ちょっと楽しみ~♪
紹介されたお店は、レンガ造りの建物で
たくさんのキャンドルが散りばめられた
お洒落なバーだった。
中に入ると、バーテンダーらしき店員が
『いらっしゃいませ』と出迎えてくれる。
『えっ…!?』
その出迎えてくれた彼を見て、私は
目を疑った。
『あっ…!』
彼もとっさに声を出す。
その彼は今日ぶつかった霧島くんだった。