茜の空
『疲れてるのに呼び出してゴメンな。』
優しく修二は言った。
『うん…。』
“早く答え出してあげなよ。修二待ってるよ。”
朋美の言葉がふと頭をよぎる。
『俺……』
いつになく真剣な眼差しで、修二は
言葉を選ぶ。
つけていたラジオを消した。
『いや、ラジオつけてていいし。大した話じゃないから普通に聞き流してくれていいんだけどさ。』
大事な話の前に平然を装い、口の
回転が早まることくらいお見通し
なんですけど……。
『ううん、このままで聞く。そういう時に限っていっつも大事な話なんだから。』
そう言うと、照れくさそうに頭を
かいた。