茜の空
『うん。俺…ほぼ確定なんだけど、来月の末で大阪に転勤なんだ。』
『えっ!?』
動きが止まる。
『ハハ。びっくりだろ?俺も昨日聞かされて。大阪行って戦力になって来いだってさ。』
修二は寂しそうに笑う。
『来月って……。』
次に繋げる言葉が見つからない。
『まぁ、でも大阪に行けるってことは結構、出世の近道なんだよ。毎年希望出してるやつもいるし。』
ただただ、頷くしか出来なかった。
何を言ってあげるべきなのか。
『だから…………』
修二も言葉が途切れる。
私は、どう答えてあげるべきなの?
静かな車内で、修二は再び口を開いた。