茜の空
『いつ戻ってくるかはわからない。』
『……うん。』
『だから……最後のチャンスが欲しい。』
修二の体は私に向いてる。
ゆっくりと視線を合わせた。
『今すぐじゃなくていいんだ。大阪に来てくれないか?俺のそばにいてほしい…。』
絞り出すような声。
『修二…。』
こんな苦しそうな修二、初めて
見たよ…。
『俺と、結婚してほしい。』
決してそらすことのできない視線。
体温が全て顔に集中するかのごとく、
火照っていくのがわかった。
真剣な目で見られると、余計頭が
真っ白になる。
からかったりふざけたり、
いつもの修二はどこにもいない。