茜の空
『もしかして…俺と、他の誰かで迷ってる?』
『えっ!?』
『今、誰か想ってるやついるの?』
『……………。』
『今日会った茶髪の彼?』
『えっ!?』
『当たり…だろ?ていうか俺、見ちゃってっから。彼とバイクで帰って来たとこ。』
『……………!?』
あのデートの夜だ…。
『俺もあの日、友香に逢いたくてマンションまで来てたから。』
まさに絶句とはこのことだ。
謝るなんて変だし、とっさに下を
向いてしまった。
『俺は平気だよ。だから、本当のこと言ってくれよ。友香の気持ち、聞かせてくれ。』
とうとう、この時がきた。