茜の空



『俺がどれだけ想ってるかわかってる?』



修二の目も潤んでる。



『ずっと我慢して、自分に嘘ついて、やっとここまできたのに…やっぱり友香はまた別の道に行くんだな。俺の想いは伝わらなかったってわけか。』



『ううん、伝わってるよ。痛いくらいに。』



『そっか。ならいいんだけど。ごめんな、未練がましくて。これから整理つけてくから…。』



首を振ることしか出来ない。
溢れる涙はとめどなくこぼれ落ちる。



『急に呼び出して悪かった。ごめんな。』



『…ううん。』



『次呼び出して、来てくれたら…気持ち伝えようって俺の中で決めてたんだ。結果は惨敗だけど。』



視線に堪えきれず、俯いた。



『でも聞いてくれてありがとな。これでスッキリしたわ。』



『私こそ…ありがとう。』



『ハハ。そんな顔すんなよ。踏ん切りつかねぇだろ。』



どんな顔したかはわからない。
でも、最後の言葉はきてしまった。









< 189 / 302 >

この作品をシェア

pagetop