茜の空

息を切らせながらそばまで駆け寄ると
修二の顔は次第に歪み、目を潤わす。



こんなことするの、ホントは
卑怯なのかもしれない。



でも勝手に体が動いたの。
今、逃しちゃいけないんだって
思った。



『友香何やってんだよ…!!仕事だろ!?』



思わず男泣きしてる修二に、首を振る。



『ちゃんと伝えてなかったから…!!私の気持ち。』



息を整えて、真っすぐ修二を見つめた。



『私、修二のこと好きだよ。大好きだけど、一緒には行けない。私にはやり遂げなきゃいけないことがあるし、突き進む道があるの。離れるのは嫌だけど、修二のこれからの道と、私のこれからの道は別だから……ホントに…ホントに…』



あれ…!?声がつまる…。
泣いちゃダメだ…。



言葉を遮るように修二は私を抱きしめた。



『もういいよ…。全部わかってるから。』



その一言で、なんだか救われた気がした。



『ここに来てくれた。それだけで充分だから。』