茜の空



放課後、廊下を歩いてると
『準、帰ろうぜ~!』と声が聞こえ
とっさに目を向けてしまう。



『今日こそアイス奢れ~!』なんて
言って友達とじゃれ合ってる。



そんなやりとりをクラスメートたちは
ケラケラ笑ってる。



準の周りには、笑顔が溢れてる。



屈託のないその笑顔が、人気の
1つなんだろなって思った。



『友香ちゃんバイバーイ!』



準はそう言って手を振った。



ついさっきまでメールしてたのに、
無邪気に言うから反応に困る。



『あ、俺も!友香ちゃんバイバーイ!』と隣の男子が手を振ると、準は冗談まじりに首を絞め、『お前は言わなくていいの!』って言ってまたじゃれ合う。



準たちが去って行くと、
『ホント準って友香ちゃんのこと好きだよね~』と言いながら女子たちが周りに集まってきた。



『友香ちゃんはどう思ってるの?』



1人の子が聞くと次々に質問が飛んだ。










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