茜の空
『じゃあ、友達になってください!』
じゃあって何よ!
ていうかこの展開なに!?
深々と頭を下げる彼に、どう対処して
いいのかわからず、ただ促されるまま
答えた。
『友達でいいのなら…。』
次の瞬間、彼は顔を上げ『やった~!』
と叫んだ。
両手を握られブンブン揺さぶられる。
『ありがとう!俺、三浦正樹。2年の終わりに転校してきたんだ。だからこの学校で初めての友達第一号ということで。』
この後の自己紹介ってどうよ。
『う、うん。』
なんだか訳のわからない状況から
始まった私と正樹の奇妙な関係。
次第に正樹は私を友香と呼ぶように
なり、私は正樹をマサと呼んでいた。
朋美らとも混ざって遊んだり、
徐々に正樹もクラスメートと打ち解けてた気がする。
少しずつ正樹を知るたびに、
若干私も惹かれはじめていた。