茜の空



そんな可愛い顔向けられたら
さすがの私も折れる。



君の方が一枚上手だと言い聞かせて
優しく唇に触れた。



『ん~やったぁ!』



何やってんだ私…。
し終わってからいつも気付く。



また乱された。



また負けた。



機嫌良く帰って行く姿を見て、
笑顔で見送るも、内心は超複雑。



それでも確実に熱く火照るこの想い
を噛みしめていた。



どうして私なの?って思うこともある。
でも好きになってくれてすごく嬉しい
自分もいる。



矛盾してるし、勝手だとわかってる。



『待って』と言えば待ってくれる君が
いるから、こんな想いに支配されてんの。



困ったことに、君は真っすぐで
屈折のない眩い光だから、
私には眩しくて、時々目をそらして
しまいそうになる。



君にはちゃんと、答えを出すべきなのに。











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