茜の空
13. 絡まる糸
曖昧な関係のまま、ズルズルと
時間だけが過ぎていく。
家に来る日は、毎晩遅くまで
勉強を教えていた。
バイクで帰ってく姿をベランダから
見送る日々。
こんな関係、続けてていいんだろうか…。
毎朝欠伸が止まらない。
それは準も同じ。
聞くところによると、朝の図書館でも
勉強してるみたい。
結構な努力家でびっくりしてる。
成績も鰻登りだし…。
もともとそんなに成績は悪い方ではない。
萩原先生も準が出した志望校には
太鼓判を押してる。
『俺も数学科希望しようかな』
嬉しいこと言ってくれちゃって。
数学が一番成績いいもんね。
頑張ってる姿が本当に微笑ましかった。