茜の空



『彼からじゃない?』



冷やかすように朋美は言った。



でも声の主は彼ではなく、昼間に
彼の居場所を聞いてきた女子生徒。



──友香ちゃん!?私、今○○駅に居るんだけど、準居たよ!!でもね、アダムとイヴっていうクラブに入って行ったの!!どうしよう…!!目つきが怖くて話しかけられなかった。あそこのクラブ、あまりいい噂きかないから…。



頬がピクリと痙攣した。



──教えてくれてありがとう。今からそこに行くから待っててくれる?



電話を切って朋美に事情を説明する。



『ついて行こうか?』と言われたけど
『必ず連れ戻すから』と断った。



朋美を置いて店を飛び出し、
車を走らせる。



アダムとイヴか……。
確かにあそこはヤバイ奴らのたまり場
なんだよね。



『友香ちゃん…!!』



車を降りると、待っててくれた
女子生徒が駆け寄って来た。











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