茜の空
『ここからは危ないから30分経っても店から出て来なかったら、悪いけど警察呼んでくれる?』
まさか私からそう告げられるとは
思ってなかった女子生徒は
恐怖のあまりうまく声が出せない。
優しく肩に手を置く。
『大丈夫。信じてもう少し待っててね。必ず連れ戻すから。』
そう言って、女子生徒を自分の車に
乗せた。
一歩ずつ店の入り口に向かう。
睨みつけるようにドアを見つめた。
深く息を吸って、勢いよく中に入る。
バカでかい音楽に薄暗い店内。
入り口付近で体を絡ませる男女の客。
踊り狂う若い男女。
人ごみをかき分け、
準を捜しながら前に進んでいく。
途中で背後から黒人に声をかけられ
何か言われたけど首を振って断った。
早く見つけなきゃ、ヤバイかも。