茜の空
案の定、女は準にキスをした。
何度も深く唇を重ねてる。
フツフツと怒りがこみ上げてきて
奥歯を噛み締めた。
マスターは壁にもたれて私を見てる。
『悪いけど、彼返してもらうし、この女ひっぱたくよ。』
気付いたらそう言ってた。
私はそのまま中に入ってく。
2人の目の前まで来た時、準の方が
私に気付き、慌てて女を突き放す。
面白くない女は、邪魔をしに来た
私を睨んでる。
『何してんの?』
準を見て言った。
俯いたまま何も答えない様子。
『ねぇ~準くん、この人ダレ?』
女が口を挟んできた。