茜の空
1人、忘れてた…。
バカ女。
ポカンと口を開けて私たちを見てる
姿がウケる。
『言い忘れるとこだったわ。私、元カノじゃなくて今カノだから。今回は色々と迷惑かけたね。どうもすいませんでした。』
女に頭を下げたら、続いて準も頭を下げた。
バカ女は呆気に取られ、言葉もない。
そんなのお構いなしで、準を引っ張っていく。
1分でも早く、ここから出なければ…!
階段を下りた先にマスターがいた。
『ひっぱたいた~?』なんて、
陽気な質問。
『ひっぱたく価値なかったわ』と
答えると、ケラケラ笑ってる。
爆音をすり抜けて進む私たち。
しっかりと手は繋がってる。
まるで、もつれてた糸が解けたように
力強く繋がってる。