茜の空



込み上げる気持ちを抑えて、
最後の想いを伝える。



『準には……待っててほしい。1年かかるか、2年かかるかはまだわからない。でも…待っててほしいの。』



真っすぐ見つめる瞳は揺れ動くことはない。



『嫌だ!……って友香が言っても、俺は待つよ。ちゃんと帰ってくるまで待つ。その分俺も頑張って教諭免許取るから。』



頷くだけで精一杯だ。



『だから、絶対俺のところに帰って来て。』



『うん…。』



『それから、俺が教師になれたら……俺と結婚して。俺のお嫁さんになって。』



『……………!!』



ウソ……でしょ……!?
ねぇ、ホントにホントなの!?



溢れ出す涙はとても温かかく、
頬を伝って手元に落ちた。



『泣き虫だな、友香は。』



違うよ、嬉し涙だよ…。










< 247 / 302 >

この作品をシェア

pagetop