茜の空
放課後、職員室に戻る途中
周りに生徒たちが集まってきた。
『ねぇ、友香ちゃん!学校辞めるの!?』
『えっ!?誰から聞いたの!?』
『だって校長先生に呼び出されてたじゃん!』
あぁ、見ちゃったのね。
私は優しく微笑んだ。
『卒業まではいるよ。臨時教師だからね。期間に制約があるんだ。』
そう言ってその場をしのいだ。
徐々に噂は広まっていき、会うたびに
生徒たちから声をかけられる。
そして、3年生は進学希望者の入試が
控えている。
準もその1人だ。
教育学科希望。
毎晩勉強してる隣で私はうたた寝…
そんな日々が続いた。
もうじき、入試日を迎える──。