茜の空



俺にとって友香は、全てだった。



“生き甲斐”なんて言葉じゃ
追いつかないくらい
友香の存在は絶大なんだ。



その笑顔が見たくて、つい頑張って
しまう。



目力がスゴイから、見つめられたら
何だってしてあげたくなる。



でも、それが友香にとっては
重荷だったのかなーって。



ハァー。
何なんだろ、俺…。



隣にいる変な女は普通にキスしてきた。



抵抗もしない俺。



もうどうにでもなれって思ったけど、
この女を抱く気にはなれない。



キスしても何にも感じない。
虚しさだけを感じてる。



カサッと音がして、視線だけを向ける
と体が凍りついた。



無表情で立ってるのは、
いつも笑顔でいた友香だったから。









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