茜の空



慌てて体を離し、俯いた。
顔見れねぇ…。



『何してんの?』って低い声。
緊迫した空気が漂う。



顔あげたら、今まで見たこともない
ブチ切れた友香が居た。



帰るってどこにだよ。
1人じゃ余計考えちまうんだよ…!



気付いたら胸ぐら掴まれてて
今にも泣きそうな顔。



無理だよ、忘れるなんて。
わかってるよ。



そうだよ、俺はバカだ。
こんなんじゃ友香を守れねぇ。



でももうその守りは
いらねぇんじゃねぇのかよ。



拒んだのはそっちだろ…!
俺の気にもなってよ。

 

言われることに反論するけど
ホントは何よりも
連れ戻しに来てくれたことが
嬉しくて泣けてきたんだ。



身体が友香を抱きしめたいって
叫んでる。











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