茜の空



脳裏に浮かぶ、萩原先生との約束。



─くれぐれも生徒との恋仲にだけはなるなよ─



萩原先生に謝ろうとした時。



『すみませんでした!』



先に言ったのは準だった。



立ち上がって頭を下げている。



『俺が先に声をかけました。マジで惚れた人だったんで。』



準がそう言うと、クラスメートから
歓声が上がる。



萩原先生は頭をかいて言う。



『まぁ、そんなこったろうとは感づいていたがな。やっぱりそうなっちまったか。なってしまったことは仕方ない。仲良くやれ。今まで隠すのも一苦労だっただろう。誰かが言ったのと同感でもう時効だ。堂々とやれ。』



まさかの言葉に絶句してると
『やったね、友香ちゃん!』との声が。



顔が火照って赤くなる。



照れくさいのを必死に隠すも、
自然に笑みがこぼれる。










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