茜の空



『並んで並んで!!』と言われ、
準も照れくさそうに横に立った。



『結婚は?』



突然言ったのは萩原先生。



ギョッとする質問にアタフタする私の
隣で準は『友香が日本に戻ってきたら』
と答え、また歓声に包まれる。



そして最後に、みんなに向かって



『というわけで、俺の彼女です。ヤロー共は残念でした!』と男子たちに舌を出して勝ち誇った顔してる。



準の友達は頭を抱えて悔しさを
露わにし、爆笑の渦を呼んだ。



廊下でも、グランドでも、正門前でも
準と2人でみんなから写真撮影と
引っ張りだこだった。



祝福の声もたくさんもらった。



先生方にも挨拶を済まし、
最後、萩原先生とも握手を交わす。



『本当に、ありがとうございました。教師の道に少しだけど足を踏み入れたこと、この先ずっと私の財産になりました。パティシエになって店を出せたら、是非招待します。絶対来てね。』



『あぁ、楽しみにしてる。2人の式にも呼んでくれよな。』



萩原先生のイタズラな言動に
また顔が火照る。










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