茜の空
『ねぇ、他にどんなの作れるの?』
『えっと、洋菓子、和菓子は一通り。』
『マジで!?じゃあ普通にシュークリームとかモンブランとか作れんの?』
俺は身を乗り出して言ってて、
友香ちゃんはちょっと驚いてる。
『う、うん。もしかして、甘党?』
ヤバ…、こんなの俺のキャラじゃない。
でも、そんなデカい目で見られたら
正直に言っちまう。
『結構…好き。』
そしたらプッと吹き出した友香ちゃん。
『なんだ、私と一緒じゃん。アハハ!』
つられて俺も笑った。
窓から差し込む夕陽が友香ちゃんの笑顔
と重なって、スゲーきれいに見える。
なんか不思議。
友香ちゃんと居ると俺、素なんだけど!?
きっとそれは、無邪気に笑うその笑顔のせいなんだ。
意外な一面を知ったら、より加速を増してしまう。
どうしていいのかよくわかんねーけど、
今はまだ、自分の気持ち…封じ込まなくていいよな…?