茜の空
『俺は正樹を通じて友香と知り合ったけど、本当はもっと前から友香のことは知ってた。でも、すでに2人は付き合ってた。』
視線を自分の足元に移した。
ただ黙って話に耳を傾けることにした。
『正樹とも友達だし、応援しようと思ったんだ。でも日に日に自分についた嘘はデカくなってどうしたらいいかわからなくなった。そんな時にちょうど、友香の留学が決まって、俺は少し報われたんだ。』
話を聞きながら、修二の視線が
痛いほど突き刺さる。
『友香、俺が言いたいことわかる?』
はぁ!?わかるわけないじゃん。
こんな回りくどい言い方。
でも、きっとこれは、
そういうことなのかな…?
少し首を傾げた後、横に振った。
『友香。俺は正樹に紹介されるずっとずっと前から、友香が好きだった。好きだったんだ。』
びっくりして思わず顔を上げる。
見つめあったまま、頭が真っ白になった。
『もう遠慮したくない。自分の気持ちに正直になってもいいかな?』