茜の空
初めて聞く、修二の胸の内。
改めて戸惑う。
こんな時に何て言えばいいのか、
全く脳は動いてくれない。
『びっくりした!?』
声にならず、ブンブン首を振る。
『正直迷った。言えば今の関係が壊れるのも嫌だったし。』
『…………。』
『でも言わないままなのはもっと嫌だと思った。』
修二…もういいよ。
充分わかったから。恥ずかしいよ。
『友香』って呼ぶから、火照った顔を
上げるしかない。
『俺のこと、考えてくれないか?』
夜の公園。
風のないベンチ。
街灯が2人を照らす。
『俺を、1人の男として見てほしい。』