茜の空
この学校、学年によって教師の職員室も
分かれてる。
教科ごとの職員室まで設置されて
てるけど、1階の総合職員室が
今、私がいるところ。
だから、先生によっちゃ机が2つある。
3年のほとんどの教師は教科別職員室
にいて、机が空いてる。
臨時教師である私はもちろん机は1つ
だけど、寂しいからつい萩原先生の
ところに行ってくつろいでるんだよね(笑)。
ほかの先生たちもいい人ばっか~と
言いたいが、あまり深入りはしてない。
やっぱどこか“教師”の道は異世界なんだ。
授業は楽しむように工夫はしてるけどね。
そんな折、珍しく?いや、初めて
私あての電話が学校にかかってきた。
ちょうど授業を終えて職員室に
戻ったら、たまたまその時間が
空き時間だった他の教師に呼ばれ、
『長瀬先生、1番に電話入ってますよ。なんか…外国の方なんですけど…国際電話?』
首を傾げるその先生は物理学担当。
もし英語だったら聞き取れなかったんだろう。
『ありがとうございます』と言って、
保留のボタンを押し、電話に出てみた。