茜の空



『ふふふ、それは大丈夫。今から証明してみせるわ。』



堂々とした、自信に満ちた表情に
ますます圧倒される。



『私のことはご存知だったかしら?ごめんなさい、改めて。私が料理研究家の長谷川鈴江よ。』



『はい、存じ上げております。はじめまして。長瀬友香です。』



『あなたが留学していた期間はどれくらい?』



『2年です。』



正確に言えば2年と1ヶ月だけど。



『そう。』



それだけ言うと微笑んで視線を
窓の外に移した。



何なのこの空気っ!!



しかもどこ向かってんのよ…。



『ふふふ、そんな緊張なさらないで。』



『は、はぁ…。』



無理やり作った笑顔は引きつる。



こんなの絶対ド緊張でしょ!!















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