兎小屋 〜side:♀〜

数秒後、触れていた唇が離れる

それと同時に足の力が抜けて、その場にしゃがんでしまった


「…大丈夫?」


しゃがみこんで、ピクリとも動かない私を見て、大島くんが心配そうに顔を覗きこんできた


「ち…ちゅう…?」

「嫌だった?」


嫌だった?
そんなことない
ビックリしただけで、嬉しかった

ただ、言葉に出来なさそうなので、大袈裟に首を横に振る


「なら、よかった。えっと、立てる?」


無理
完全に腰抜けた

だから、また首を左右に振る

キスだけで腰を抜かす私

我ながら情けない…

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