生きてるロボット
☆前置き


今は21世紀

銀色のビルが建ち並び、空には変わった車が飛び回り、映画の中でしかなかった世界が今、現実になっている。その中にある少し大きなビルは氷河 椿博士の研究所。

彼女は名の通った発明家、さまざまな科学者が不可能と言い続けたことを意図も簡単にやり遂げてしまう。発明する物は世を騒がす偉大なものばかり。彼女は頭脳だけではなった。外見もそこらのモデルより断然美しいといわれている。

なぜ、他人事なのかというと、彼女に会う人たちの第一声は皆口を揃えてこういう

『まるで生きてるロボットだ』と。

たとえどんな美しい外見よりも、すばらしい発明よりも、彼女に会う人たちの第一の感想が『生きてるロボット』というのは、彼女にはまるで心が無いからだとその人たちは語る。それは、喜怒哀楽の消えた顔、単調な話し方、感情の感じられない発言、まるでナイフのような言葉からくる人間味の無い彼女の性格のようだ。彼女と話した人からは少しの間笑顔が消えるというそんな噂までたっている。

そんな噂がたってから彼女に会う人はいなくなった。彼女には弟子や助手はいない。いつも1人でさまざまな偉大な物を作ってきた。しかし、そうなったら公にでない彼女が今なにをしているのか、何の研究をしているのか彼女本人にしか知らない。


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