生きてるロボット
☆知能
朝になり、眠るというより、停止していたといったほうが正しい彼らは一斉に目を覚ました。そういうプログラムだからだ。
そして、リビングに向かうと、ソファーに博士が座っていた。
「おはよう」
相変わらずな無表情の彼女
「お、おはようございます」
その顔に少々の恐怖を感じているのは、03。少しヘタレが入った愛され系男子設定の幻覚の能力持つモノだ。
「あぁ、椿ちゃんおはよう」
馴れ馴れしいのは04。女タラシ設定の消滅の能力を持つモノだ。
起きるのは一斉でも、降りてくるのは別々で、しばらくすると、一人、また一人と降りてきて、やっとリビングに全員が集まった。
「やっと集まったな。今日のあなたたちには知識というものを入れてもらう。」
「は?知識って少しならあるぞ」
「あぁ、一般常識なら頭に入れてある。しかしそれだけだ。おまえたちの知能は今のところ、全員一緒だ。」
彼女が言うのは、リビングにある最新刊の雑誌、ベストセラー作家の本、有名漫画の1巻。それらはすべてすさまじい量で、小さな本屋程度の量がある。その中から、自分が興味あるものを選び、そのことについての知識を深めろというものだった。
「この中から、って」
「すごい量…」
「興味あるものだ。何でもいい。大体は揃えている」
そういって彼女は部屋から去って行ってしまった。
「探すのも大変だな」
「おい、お前、それ取ってくれ」
「だ、誰?」
「そこのお前だよ」
「僕かい?」
「お前じゃねぇ」
「じゃあ、誰?」
「もういい!!自分で取る!!」
名前がないため、誰をさしているのか分からない。番号で呼べばいいのだが、自分の番号なんて誰も知らない。