生きてるロボット
しかし、何にも起こらない。
「前に言っただろう?あなたたちはこの私と、研究所には手出しできない」
「ふざけんなっ!!」
能力が効かないと分かった01は彼女に殴りかかってきた、しかしそれは彼女にあたることも無く、灰となって手が消えていっているようだ
「うわっ!!」
「何回言わせれば気が済むんだ。あなたたちは私に手を出せない」
01の右手は肘まで無くなってしまった
「おい、どうにかしろよ!!お前製作者だろ!!」
「まぁいい、怒りの感情は正しく作動したんだ。もういいだろう、01、早くこい」
「おま、それって、まさか」
「こんなことでキれるとは思わなかったが、結果よかった」
「ワザとだった…ってことか?」
「01、なにしてる、早く行くぞ」
「お、おう」
彼女の後ろから見える表情は相変わらず変わっていなかったが、雰囲気がほんの少し和らいでいた気がした
バタンッ――――
博士と01がいなくなったトレーニングルームでは
「あいつはわざと彼を怒らせたのか?」
「…みたいだな」
「じゃあ、俺たちは試されてるってことか?」
「そうなのかもしれないな」
「結局、ボクたちは何のために作られたの?」
ほかのロボットたちは自分の存在意義に悩んでいるようだ。ココロを持つロボットは何のために作られたのか、世界を滅ぼすためにココロは必要じゃない。むしろあったら邪魔な存在だ。しかし、何かを倒すわけでもなく、何かを守るためでもない。彼女の言っていた通り、作ることに意味があり、できてしまった今、存在意義はなくなってしまったのか。そんなことを考えながら、各自部屋に戻り、自分の力のわけ、そして、自分の存在について答えはどこにもないが、考えるしかななかった