英語と関西弁が大好きです
そして夜。



最後の中三の授業を終えてから、塾長の机へ向かった。












「塾長」


「お、西夏先生。…それじゃあ、向こうの部屋へ」














案内されたのは、プリンターの部屋のもうひとつ奥。



完璧な、お説教部屋やないか。













沈黙を先に破ったのは、塾長だった。










「西夏先生、あなたは本当にいい先生だ」


「……」


「私としても、手放したくない」


「……」


「次の校舎でも、頑張ってくれ」


「……??」








「あぁ、若い西夏先生は知らないか!」



「どういう意味ですか?」



「いやな、この塾では毎年、いい先生が他の校舎に移動するシステムになっているんだ。ま、つまり『出世』みたいなもんだ」



「出世…」













出世は、正直言って嬉しい。


そりゃもちろん。










せやけど……



『次の校舎』って、言ってたよな?














「あの塾長、次の校舎とは…」


「あぁ、次西夏先生に移ってもらうのは、神奈川の方の校舎なんだ」


「ということは…」


「うん。引っ越してもらう」















奏ちゃんに





もう会えない…?






















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