僕と翔太
確かに一歩間違えれば翼自身も死ぬかもしれないが、
翼は目の前の恐怖に対して、
目の前のかけがえのないものを
守る勇気が恐怖に打ち勝ったのだ。


「大丈夫か! ショウタ! 
お前を決してもう二度と離さない! 
たとえ、この先、どんなことがあっても!」


 ショウタは出会った頃のように身体が震えていた。
そして、翼はショウタを強く抱きしめた。

愛を込めて。


 翼は何とかして、ぐったりしたショウタを抱えながら、
急な斜面を登りきった。
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