僕と翔太
 そう言った瞬間、翼は膝を落としてその場に倒れ込んだ。


「うわっ、大変! 
お客様すごい熱だわ。
支配人、早く救急車を!」


 翼は救急車で運ばれた。

その車中で、

「自分は大丈夫です。
ですから、どうかショウタを……
一刻も早く病院に連れて行ってあげて下さい」


「お客様、そんなに心配しなくてもいいですよ。
先程、女将さんが隣町の獣医さんのいる病院に連れて行かれました」


と翼に付き添いの仲居さんが言った。
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