Fahrenheit -華氏- Ⅱ
午後になって本格的に頭痛を感じ始めた。
やべぇ…ホントに風邪か?
いや……単なる寝不足だろうな。
なんて考えたけれど、頭痛は治まるどころか一方的に酷くなる。おまけに全身が鉛のように重く、腰や肩がキシキシと鳴りそうなほど痛い。
「…う、部長!」
佐々木に声を掛けられはっとなった。
「大丈夫ですか?かなり辛そうですけど」
佐々木の方が今にもぶったおれそうなほど心配そうに表情をゆがめている。
「…ああ、大丈夫だ……」
何とか答えたものも、頭が重い。
フラッ…
首が傾いて、
ぐさっ
「ぎゃーーー!部長っ大丈夫ですかっ!!」
あまりの痛みで俺はでこを押さえた。
り、流血……??
ふらふらしていた俺はどうやら握ったペンの先で額を刺したらしい。
佐々木が一人で慌てふためいている。
俺は何でもないように手をあげた。
「これぐらい平気だ、佐々木クン。安心したまえ」
「部長が変っ!!いやっ!変なのは元々だけど」
失敬な…
きゃーっと声をあげて、佐々木は俺を無理やり応接室に連れて行った。