Fahrenheit -華氏- Ⅱ


へ??何っ!


びっくりして目を瞬いていると、瑠華は俺の胸元から首に下がったシルバーチェーンのロザリオを取り出した。


小さな十字架がクロスしている中央に、小粒のターコイズの石が乗っている。


俺の誕生石だ。


瑠華はペンダントチェーンを外すと、俺の指から指輪を抜き取り、そのチェーンにくぐらせた。


「これならなくならないし、ワイシャツの下につけてても分からないですよ」


「そっかぁ。これなら毎日つけられるね♪」


なんてご機嫌に頷いたけれど、二村も同じようにしていたことを思い出し、ちょっと複雑な気持ちになった。


俺はあいつと同レベルか…


ペンダントチェーンを直すと、瑠華は


「ん」と小さく言って両手を広げてきた。


へ?なに??もしかしてお代ですか?金寄越せって??


なんて思ってると、


「抱っこ」と言って、瑠華がちょっとだけ笑った。


抱っこ……


もちろんOK☆!!


ってか何よこの可愛いひとは!!?


俺はに嬉しさに顔を綻ばせて彼女を思い切り強く抱きしめた。


俺の腕の中で瑠華はちょっとだけ顔をしかめると、


「痛い。力の加減気をつけてください」なんてむぎゅーと押し返された。


ホント、マイペース…


でも





ヤバイぐらい好き。





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