Fahrenheit -華氏- Ⅱ
「結婚ったって、まだ俺ら付き合い始めて二ヶ月もたってないのよ?幾らなんでも早すぎ…」
と言うのは言い訳で…
俺はそれとなく瑠華に結婚話を促してみたりしてみたけど、
相変わらずそっけない態度でスルーされてる俺。
前に―――
「いつか俺と結婚してください」ってマジプロポーズして、彼女は
「はい」なんて素直に答えてくれたけど……
あれはあの場の雰囲気に流されただけなのかな。
それとも彼女は一度結婚に失敗してるから、今度は慎重になってる??
なんて不安に思う日々。
でもでもっ!瑠華からペアリング貰ったし、俺ってちょっとは愛されてるって思っていいよね!?
そんなことを考えて、俺が分かりやすく落ち込んでいると、綾子は俺の肩をバシッと強く叩いた。
「ま、恋愛と結婚はまた別だし。がんばりなさいよ!」
お前のパンチ力は色んな意味で強いぜ。俺は叩かれた肩をさすりながら、目を細めて綾子を見た。
「ところでお前はどーなのよ。裕二と結婚しねぇの?」
すると綾子はちょっと眉間に皺を寄せ、うーんと小さく唸った。
「裕二……ねぇ」
意味深に吐息をついて、綾子は腕を組んだ。