Fahrenheit -華氏- Ⅱ
「勘違いしないで。選択肢はあなたにあるけど、あなたの未来を握ってるのはあたしなの。
あたしがあなたを支配してるの。
一ヶ月…長くて二ヶ月ね。
答えを出すまで、あたしに付き合ってよ。
付き合うって言ってもまぁお茶を飲むぐらいだけど」
真咲は選択肢を俺に与えたが、
俺にそもそも選択する余地なんてない。
どっちを選ぼうと―――瑠華を傷つけることは分かりきっているからだ。
これは契約だ。
一ヶ月…長くて二ヶ月間だけは、
真咲は少なくとも瑠華に何もしない。
それまでに清算しろ―――
そう言ってきている。
冗談じゃない。
やっと手に入れたんだ。
失ってたまるかよ。
長くて二ヶ月―――
その間に決着をつけてやる。
その為に―――俺は悪魔と契約を交わした。
~ 悪魔と契約 END ~