Fahrenheit -華氏- Ⅱ



え?……ちょっと待って??


瑠華がそっちのケがないのは知ってるけど。


そのうっとりするようなまなざしは何??


そう言えば以前にも綾子にそんな視線を投げかけてたよな。瑠華の親友の心音ちゃんもすっげー美人だし、おまけにこっちが妬く程仲良さそうだ。


紫利さんは男からだけじゃなく、何故か女にも好かれる。彼女の後輩の女も確か紫利さんにべったりだった。


ちょっと気が強いところもあえるけど基本、面倒見がいいし上品。おまけに美人でスタイルもいいのに、それをちっともひけらかさない。


瑠華が紫利さんを………?


俺は二人が抱き合っているイケナイ想像をして鼻血を吹き出しそうになった。


何!?


超お似合いなんですけど!って言うか何!?その美しすぎる図は!!


でも…


ダメ!


ダメダメダメ!!!


瑠華は俺のものだ!例え紫利さんでもあげないよっ!


男に盗られるのはもちろん嫌だが、女は論外だ。


俺は楽しそうに談笑し合っている二人の間を遮るよう、身を乗り出すと、


「ところで紫利さん、旦那とは最近仲良くやってるの?」と話題を変えた。


「ええ。ご心配なく。最近は週に三回は帰ってくるの」


と微笑しながら焼酎のロックグラスに口をつける。


相変わらずいい女だけど、


瑠華は誰にも渡しません!!




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