Fahrenheit -華氏- Ⅱ


恐る恐る携帯を開くと、


メール着信:桐島


となっていて正直拍子抜けした。思わずソファに力なく腰を落とし、


「桐島……?めずらしいな、あいつからなんて」


と言ってメールを開く。




From:桐島

Sub:生まれたよ



子供が無事生まれました。母子ともに無事です。

心配かけてごめんね。

3100gの元気な男の子です。

写メ送るね。



メールの文面を見て、思わず「おお!」と声が出る。


添付してあった写メを開くと、若干顔色が悪いものの穏やかな微笑みを浮かべたマリちゃんとその横には桐島、そしてマリちゃんの腕には白いおくるみにくるまった赤ん坊が映っていた。


二人ともほっと安堵して、だけどすごく幸せそうだ。


本来ならツレの子供が生まれたからってそれほど感動しないものの、やっぱりちょっとでも係わり合いがあったから、


何だか自分のことのように嬉しい。




To:桐島

Re:Sub:生まれたよ


おめでと!お前に似てイケメンじゃん♪




と返信を返し、携帯を眺めながらにこにこしてると、


「何にやけてるんですか」と瑠華の声がすぐ後ろで聞こえた。






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