Fahrenheit -華氏- Ⅱ


俺は難しい顔で腕を組んでいたが、向かい側の瑠華はいくらか落ち着きを取り戻したようにアイスティーに再び口を付けた。


「あくまで私たちの想像ですし、二村さんが、緑川さんと瑞野さんを二股掛けているという話も、緑川さんの思い込みかもしれません」


そう―――…なのかなぁ…


「緑川がそんな嘘を付くとは思わないけど。あいつってそういう意味でプライド高そうじゃん?」


「彼女が嘘を付いていると言っているわけじゃありません。思い込みかもしれないと言っているのです」


ぴしゃりと無表情に言われ、俺はがくりと首をうな垂れた。


「そーですよねぇ」


「確かめることが必要ですね。私が言ったことはあくまで仮説ですが、あらゆる可能性を考えた方がいいと思います。


まずは本当に二村さんが二股掛けてるのかどうか、もしそうだったとしたら…


たとえどんな理由があろうと最低ですね」


Son of a bitch!と吐き捨てるように言って、瑠華が氷のように冷たい視線でテーブルの上を見下ろした。


視線の先だけ凍りつくほどのこっわい視線。


えっ?サノ…??


俺はおずおずと目を上げた。


「…えっと…それはどーゆう意味?でしょうか」


今度は瑠華が目だけを上げてまばたきをし、ちょっと考えるように首を捻ると顔を寄せてきた。


ちょっと小悪魔チックな仕草にキュン♪ときたが、


まるで耳打ちするように囁かれた言葉は―――


あまりにも酷すぎて、この場では言えない。


瑠華ちゃんたら、お昼から過激ね!キャッ




つまりは俺の口から説明するのも憚れる、ようは放送禁止用語と言うわけで、意味を知りたい方はお手数ですがお調べください♪♪



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