Fahrenheit -華氏- Ⅱ
瑠華は柔らかく微笑んで、俺の腕をきゅっと握り返してきた。
「いいかもしれませんね。じゃ、あたしは殺人鬼で」
殺人鬼、好きね(笑)
イイケド。何か似合いそうだから。
「世界一可愛い殺人鬼だな」
俺は囁いて、瑠華の湯で上気した淡いピンク色の頬に口付けを落とした。
瑠華はびっくりしたようにちょっと目を開いて、じっと俺を見上げてくる。
「ん?」
と聞くと、
「いいえ、何でもありません」と小さな答えが返ってきた。
俺、何かまずいこと言ったかな?
なんてちょっと不安に思い、瑠華のしっとりと濡れた髪を撫でると、瑠華は何でもないように―――くすぐったそうに笑い、それでもちょっと考えるように首を捻った。
「ハロウィンパーティー…使えるかもしれませんね…」
「…え?使える?」
「Plan Aですよ。緑川さんたちも呼べば…」
俺は目をまばたいた。
「なるほど。二村と瑞野さんも呼んで、様子を見ることもできるしな。でもあいつら来るかなぁ」
「それはあなたにお任せします。プランAは元々あなたの活躍次第。がんばってくださいね。そうと決まればあたしはその他のメンバーの方をお誘いして、会場も決めておきますので」
さっすが!仕事が速い♪
………って、デモやっぱり一番、俺が大変じゃね??
あいつらをどーやって誘えばいいんだよ!