Fahrenheit -華氏- Ⅱ



昼食を食うつもりが、車の中で瑠華とイチャイチャ…と言うか途中で全力で拒否されたけど


クスン…啓人くん悲しい。


シロアリ緑川から電話は掛かってくるし、結局ホットドッグは食いそびれたし


あっという間に瑠華と綾子が待ち合わせる時間になって、俺は瑠華を待ち合わせ場所になってる銀座へと送り届けた。


「仕事でもないのに啓人の顔見なきゃいけないなんて」


待ち合わせ場所にすでに立っていた綾子がふてぶてしく腕を組みながら鼻息を吐く。


「はぁ?俺だってホントは瑠華を独り占めしたいけどな、


お前との先約があるって断られたんだよ」


「断られても無理やり割り込んでくるとはねー」


綾子は呆れたように肩をすくめ


「うっせ。瑠華を苛めんなよ」


それだけ釘を刺すと


「あんたと違って柏木さんいい子だから~♪てかさっさとどっか行ってよ。


あたしたちこれから女子会なんだから」


「お前、女子って年齢でもないだろ!」


てかこいつホントに女かよ!何だよこのふてぶてしい態度は!


ギャーギャー言い合っていると、周りから不審な目で見られた。


俺はそそくさとギアを入れ替えて、


「それじゃ瑠華、迎えにくるから」


早口に言って手を軽く挙げると


「迎えに来るからって、やらしーわね」


と綾子は瑠華にひそひそ。


やらしーって何がだよ!(怒)てか聞こえてんだよ。


苛々しながらも走り去ろうとすると





「啓――――」






瑠華に呼び止められた。











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