Fahrenheit -華氏- Ⅱ
- PM02:52 南品川 裕二宅 ―
「てか二村!!あいつ俺の何を知ってるってんだよ!!
女の数か!?上等だ。
お前には負けねぇぞ!」
少し早いが裕二の家に着いて、挨拶もそこそこに俺は腕を組んでリビングをうろうろ。
「二村って。物流管理部の若けぇヤツだろ?そいつがどーしたんだよ」
裕二はまるでクマのようにうろうろしている俺を怪訝そうに眺めて腕を組んだ。
「不機嫌にもなるっつうの!
そもそもお前がなっ…」
言いかけて、がくりと項垂れた。
「だから悪いって言ってんだろ?今度お前のピンチのとき助けるからサ」
と、これまた信用ならない言葉で俺を励ます裕二。
「んで??その二村がどーした。
教えろよ」
裕二は興味津々に聞いてきて、俺の肩に腕を回すと俺の足取りを止めた。
説明するのも面倒くせぇし。
てか説明できんだろ……あんな近場で三角…いや、四角??関係…
昼ドラにしたらそれはそれは長いスパンになりそうだ。
てか…
「腹減った」
俺、マジでクマになっちまったかも。
冬眠明けのクマのように腹をすかしてうろうろさ迷っている。
見かねた裕二が
「これでも食うか?」と出してくれたのは、カップラーメンだった。
「俺は瑠華に怒られてまでお前の茶番劇に付き合ってやってるってのに、ねぎらいがこれか!」
「だって俺料理しねぇもん。これがイヤだったらデリバリーでも頼むか?
ピザとか」
「ヤダ。昨日瑠華んちで食ったし」
「我侭なヤツだなぁ」
裕二は大仰にため息を吐き
「どっちが我侭なんだよ!」
もうヤダ!俺、何でこいつの手助けなんて引き受けちまったんだよ!
(A:それは瑠華の写真が掛かっているからです♪)
今頃になって後悔↓↓