Fahrenheit -華氏- Ⅱ


「オーランド・ブルーム…あのパイレーツオブカリビアンの?あたしはジョニー・デップの方が好きだけど」


「主演映画はどーでもいい。しかもお前の好みなんて聞いてねぇ!とにかく目の前にいきなり現われたらどーするよ」


「何よ急に」と綾子はちょっと怪訝そう。


「何だよ、お前ハリウッドでも行くのか?」と裕二が横から割り込む。その顔には本気で俺の話を聞こうとする体勢ではなかった。


「マリも好きだったよ。オーランド・ブルーム」


「桐島、お前には聞いてない」←ヒドイ


「んー…とりあえずサイン貰うかな?」


綾子は腕組みをして、ちょっと首を傾けた。


「何、お前。ああゆうのがタイプなわけ?」と裕二が不服顔。


「タイプとかじゃないけど、イケメンじゃない?ジョニーの方が好きだけど、あの手の顔も結構好きよ♪それに向こうの人って情熱的じゃない?」


「何だよ、俺ぁ情熱的じゃねぇってのか」


「例え話よ、例え。あたしには裕二辺りが丁度いいのよ♪」


「情熱的な裕二ってちょっと気持ち悪いよ」と桐島。可愛い顔して結構ヒドイなお前。


「なにおぅ!」


あの~…勝手に話を進めないでクダサイ。





「「「で、そのオーランド・ブルームがどうした?」」」





三人が一斉に俺を見た。







< 50 / 572 >

この作品をシェア

pagetop