Fahrenheit -華氏- Ⅱ
「はぁ…まぁ」
ってか、そんなに驚くこと??ってか俺に彼女が居たことって、そんなに重要なこと??
と思ってはっ!となった。
「彼女を連れてこないからって、男が好きとかじゃないっすよ!!」
俺の必死の形相に、メンバーたちは揃って、
「「「はぁ!?」」」と表情を歪めた。
どうやらそんな勘違いはされてないらしい。
良かった良かった♪
「ユウキが言ってたよ~。お前恵比寿のおっしゃれーなホテルのバーで女連れで良く現われるって!しかも見るたび違う女!!しかも美人ばっかり!」
って、ぜっんぜんよかねぇよ!!
恵比寿のホテル…?まあ確かに前はよく利用したっけね。
でもユウキさん、何故あなたはそんなところに??あの人奥さん居るでしょ?
俺は今バッターボックスに立っているユウキさんをちらりと見た。
「あなた~がんばって~♪」と背後から奥さまの黄色い声援。
どっちかってと、俺よりユウキさんの方が心配だ。
「んで、キミの彼女は何人居るのかなぁ?」
水澤さんが興味津々に俺を覗き込んでくる。
「一人っす!まぁ派手に遊んではいましたけど、今は彼女一筋っ」
「「「へぇ~」」」
メンバーたちが、面白そうに俺を見た。
へ…変な雲行きになってきた…