兎小屋 〜side:♂〜

「大島くん!!!」


俺の背後
女子の生垣の向こうから呼ばれた声

思わず、胸が鳴る
だって、この声は…


「好きっ!!!」


声の主を確認するために、振り返るのと同時に放たれた言葉に驚く

そして、目に入ってきたのは、今までで一番真っ赤な顔した、里村さんだった


今…何て言った?
今の…俺に向かって…?


驚きすぎて、言葉を失っていると、近くにいた香水女が口を開いた


「ウケるんですけどー!大島くんが、あんたみたいな子を相手にするわけないじゃない」


そいつが言った後、周りの女子も笑い始める

そして、それを聞いた里村さんの目が潤んでいく

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