大嫌いな君
+午前七時+
「んじゃ、行って来ます。」
「ん、いってらっしゃい。」
俺は笑顔で手を振る
あー…、ちゅーしてぇ
だって、男の子なんだもん、って事で
逢咲が扉を開けた瞬間…
「透、ちょっと待て。忘れ物……。」
振り向けば……
ちゅっ、というリップ音が響き。触れるだけのキスをする
頑張れ、俺
保て、俺の理性
「いってらっしゃいのちゅー、してなかっただろ?」
俺は妖艶な笑みを浮かべる
逢咲は顔が真っ赤になって
「い、いいいい行って来ます!!」
バタン!!!と扉を閉めた
可愛い…
やべ、初恋みたいにドキドキしてる
あんな、子供っぽいキスなのに
微かだけど、アイツの体温がまだ唇に残ってる…
鼓動が早い
息切れも凄い…
これって、恋なのか?
俺は静かに、唇に手を当てた…