秘密少女の非日常。Ⅱ
『…そういえばさ、君…名前なんていうの?』
「は…?」
そう聞くと驚いた顔をされた。でもすぐに戻って。
「赤石、京治(アカイシ・キンジ)」
えっ!?
『赤ずきんちゃん!?』
あ、男だから君か。
「…はっ?」
すげー!!赤ずきんだってよ赤ずきん!名前すげー!!
『初めまして赤ずきんくん。』
ペコリと丁寧にお辞儀をする。
「いや!赤ずきんちゃんでも赤ずきんくんでもねーし!!」
『え…?違うの?じゃあ…誰?』
「赤石!赤石京次!!」
は?
『え 誰それ。』
ん? と赤ずきんくんに聞く(もう確定)。
「俺!」
『は?なに言ってんの。君は赤ずきんくんでしょ?あ゙ーもうっいちいち“くん”つけんのめんどくさい!あんたの名前は赤ずきん!そうでしょ!!』
「だから違うって!!俺は赤い『もうあんたは今日から赤ずきん!それでいい!!』
ゴホン、と咳払いをして。
『改めて。初めまして赤ずきん!これからよろしくね!!』
そう言って左手を出す。
「…俺、1年の頃から岡崎と同じクラス…。」
『ん?何か言った?』
聞くと赤ずきんは何でもない、とさ。
「悲しいかな……。」
ぼそり、と何かを呟いてそこで自己紹介は終わった。
それから、ずっと会話を弾ませた。授業中と関わらずに…。